野菜のくずの活用~たい肥まで
ブロッコリーの茎を炒め物にしたり、スイカの皮やオレンジの皮でピクルスやピールにし、野菜の皮ではスープを作るなど無駄なく、また栄養も取れますが限界があります。野菜のくずなどは思ってる以上に多く、活用できる量も限られています。廃棄物とし捨てる事でキッチンも簡単にきれいになり、様々な活用法があったとしても、時間に余裕がなかったり面倒だと考ええるとそのまま捨ててしまうのだと思います。ですが最終的にどうにも出来なくなってしまった生ごみを新しい形で再生する方法があります。
”たい肥化”という言葉を聞かれた事がありますか?
なぜ堆肥?
簡単に言えば、堆肥化は大事な栄養素を土壌に戻す事により土壌を健康で生き生きと良い状態に保つことが出来ます。 考えてみれば、植物は土からとる栄養素を育てる必要があるので、果物や野菜を育てて皮を埋め立てる事でそれらの大事な栄養素は土から出て二度と戻らないのです。 健康な土壌を作るには健康的な堆肥が必要なのです。
たい肥化するメリット
・家庭のごみから栄養豊富な肥料が作られる。
(ごみが資源に変わり、ガーデニングや家庭菜園に再利用)
・生ごみを捨てる手間が省けごみ袋の削減に繋がる
・廃棄物処理のコスト削減、環境負荷削減、廃棄汚染の減少に繋がり衛生的
これらの野菜くずが分解され土壌に還るのでしょうか?
野菜のくずが分解するには、酸素、水分、微生物、熱の混合物が必要です。 埋め立て地は非常に圧縮されているため、酸素は有機物に触れることなくそのままの状態で、酸素なく分解し始めメタンを大気中に放出します。 メタンはCO2より72%強力です。つまり、メタンは気候関連の問題を早めよい環境を汚染しています。
野菜のくずを無駄にせず、廃棄しない事が大事だと認識してもどうすればいいのでしょうか?
まず最初にたい肥にする環境状態が必要になります。自分自身作ったたい肥を消費するのか、また、たい肥だけど作り人に提供するのか。。十分なスペースの庭がある場合は簡単にたい肥化出来、楽しみの一つにさえなるかと思います。マンションなど家庭でのたい肥化は自然に還す事が出来ないので少し手間がかかりますが自然は常に私たちに向き合ってくれています。自然のおかげで私たちの生命も成り立っています。 葉は木から落ち、落ちた葉は分解し始め、土壌の肥やしになり、また新しい植物が息吹きます。これは自然なサイクルであり、生ごみ、生分解性材料、庭の廃棄物を堆肥化することで、私たちの生活の中で疑似的な再生が出来ます。
たい肥化とメタンガス化
食べ残しや野菜のくずは肥料化や堆肥化にするだけではありません。
生ごみ(食べ残しなど)や燃えるごみ、家畜の糞・尿などを酸素のない状態で微生物に分解させるとバイオガスが発生します。このガスは燃えやすい気体の為、発電・ガスとして利用することが出来ます。廃棄物からたい肥になったり発電出来たり活用できるのは素晴らしい事です。
では家庭で堆肥化システムを成功させるための9つのヒントと堆肥化できるものと出来ない物のリストをご紹介します。
1.生ごみをたい肥化させる密閉型容器を準備
段ボール箱や発泡スチロールなどで手作りしたもので代用も可能ですが、設置する場所によっては生ごみを野生の動物などにあらされないようにしっかりとした蓋を準備する必要があります。
2.堆肥の設置場所を決めます
最適な場所は、平らで水はけがよく、日当たりが良く雨がかからない場所に設置します。乾燥しすぎると発酵せず水分が多いと腐敗し悪臭のもととなりますので60%程に湿度を保ちます。(淹れた茶葉を絞ったぐらいの湿り具合)
3.ブラウンとグリーンの分量配分
堆肥の山には、炭素が豊富な成分と窒素が豊富な成分の2つの主要な成分があります。炭素グループ(ブラウン)には、枯れ葉、干し草、紙、段ボール、おがくず、ナッツの殻、木材チップなどの材料が含まれます。窒素グループ(グリーン)には、果物や野菜のくず、雑草、コーヒーのかす、新鮮なハーブ、卵の殻などが含まれます。堆肥化するにはこれらのグループがバランスじゃ居てる事が好ましいです。生ごみが多すぎると腐敗に繋がるのでそういった場合は枯草や葉、乾いた土を混ぜたり、表面を土で覆い匂いを防ぐなどあくまでも家庭のごみを減らし活用できる事が大事ですので難しく感じずバランスを見ましょう。
4.生ごみを集めて置いておく環境つくり
1回1回生ごみがある度に設置してるバルコニーなどに運ぶと大変ですので調理をし始めてから片付けが終わるまでの間に保管できる容器や水分を絞り冷凍保存するなどたい肥にしやすい様に分別しておくと簡単に出来ます。堆肥化できる食品とできない食品と材料のリストについては、以下を参照してください。
5.茶色(炭素が豊富な)材料を収集して保管します。
炭素グループ(ブラウン)をいつでも生ごみを混ぜれるように保管しておくのをお勧めします。枯れ葉など無い場合は腐葉土を入れて混ぜると早く生ごみが分解されます。
6.腐敗させず良い状態で発酵させる方法
小枝、枯れ葉など水はけを良くするために10㎝程容器に入れます。適度な大きさの石も水はけを良くしまその上に炭素グループ(ブラウン)その上に窒素グループ(グリーン)を入れます。それを交互に入れブラウン4:グリーン1ぐらいの割合になるように入れて混ぜます。
7.たい肥容器内をいい状態まま保つ為のポイント
・生ごみを早く分解させるために良く混ぜます(新鮮な空気を取り込む)
・腐った古い生ごみを入れない
・生ごみの水気を取る
・生ごみと土の割合(1:4)程に保ち生ごみが多い場合は土やブラウンのグループを混ぜ、腐敗させないようにする。
8.早く分解させる方法
腐葉土や米ぬか・有用微生物などが配合されたコンポスト用の生ごみ促進剤やピートモス(腐植化した泥炭(でいたん)を脱水、粉砕、選別したもの)を
土に混ぜるとより早く分解します。
9.完成した堆肥を使用します
堆肥を作るのに2週間から12ヶ月かかることがあります。一般的に、色に深みが出て砕けやすく、心地よい土の香りがする頃になると使用出来る時期です。出来た腐葉土は観葉植物の表土、庭の野菜や花の土壌改良剤としてお使い頂けます。各市町村、自治体でコンポスト購入補助金がある地域もありますので是非確認してみて下さい。
(堆肥化できる材料)
果物と野菜 、卵殻、コーヒーかす、コーヒーフィルタ―・ティーバッグ
ナッツの殻、紙、段ボール、雑草、小枝、観葉植物、 干し草とわら、葉、
おがくず、 木のチップ、木製の歯ブラシの持ち手、綿と羊毛のぼろきれ
、髪と毛皮 、暖炉の灰、パン、残飯、魚・肉類
(堆肥化できない材料)
黒クルミの葉や小枝 、石炭・木炭灰、乳製品 卵、 病気にかかった植物や虫がついた植物、ラード、肉、魚の骨、動物の糞 、猫のトイレ 砂 、薬品のついた植物や芝、塗工紙・光沢紙 ・割り箸や爪楊枝・ナイロン製品・腐った生ごみ
生ごみは可燃ごみの3~4割を占めてると言われえおります。
環境省の日本廃棄物処理の調査ではごみ総排出量は4,272万トン、一人当たりのごみ排出量は918グラムでした。500ml入りのペットボトル飲料水のおよそ2本分近い量となります。
自宅に庭がなく、忙しくて十分な時間がなくてもたい肥は簡単に出来ます。
生活空間と共有できるおしゃれなコンポストがあります。
匂いを防ぐカーボンフィルターに多孔質の蓋が付き簡単に始められます。
ごみの再利用始めてみませんか?